造作洗面台をおしゃれに作るコツとは?費用の抑え方やメリット・デメリットも解説

造作洗面台をおしゃれに作るコツとは?費用の抑え方やメリット・デメリットも解説

高山みさと

まるでホテルのようなモダンでおしゃれな洗面空間、木やタイルを使ったナチュラルで優しい雰囲気の洗面所。デザインや素材にこだわった個性的な空間は「造作洗面台」で作ることができます。
この記事では、キッチンと洗面台の設計を10年以上手掛けた筆者が、造作洗面台で理想の洗面空間を作る方法や費用を抑えるコツについて解説します。造作洗面台を検討している方はぜひ参考にしてください。

造作洗面台とは?既製洗面台との違い

造作洗面台と

造作洗面台とは、オーダーメイドで作る洗面台のこと。洗面ボウルから収納の取手にいたるまでこだわり、自分だけのオリジナル洗面台を作れます。
造作洗面台は、これから家を建てる方はもちろん、リフォームを検討している方にも人気があります。

既製洗面台

一方、既製洗面台は住宅設備メーカーが販売するパッケージ商品です。選びやすい、使い勝手に優れている、保証があるといった特長があります。デザインが画一的という印象を受けるかもしれませんが、最近はデザインのバリエーションも増えています。

造作洗面台のメリット・デメリット

造作洗面台のメリット・デメリット

メリットの多い造作洗面台ですが、やはりデメリットもあります。後悔しないための注意ポイントも確認しておきましょう。

造作洗面台のメリット

造作洗面台のメリット

造作洗面台の一番のメリットは、全てを「自由」に選べるということ。デザインやパーツにこだわる、サイズや高さを変えるといったカスタマイズも自由自在です。
また、建築条件に合わせられることも大きなメリットといえます。間取りの都合で生じる、デッドスペースや配管スペースの出っ張りなども、造作洗面台ならカウンターを加工するなどして上手く納められます。

造作洗面台のデメリット

造作洗面台のデメリット

造作洗面台は費用を抑えて作ることも可能ですが、素材やデザインの検討を重ねるうちに費用が上がってしまうケースも少なくありません。
また、既製洗面台と異なり、完成するまで使い勝手やデザインの調和を確認できないこともデメリットです。「完成したけれどイメージと違う」「思ったよりも使い勝手が悪い」といったことも起こりえます。

さらに、既製洗面台であれば付く保証も、造作洗面台はパーツごとの保証範囲にとどまります。

造作洗面台を選んで後悔しないためには?

造作洗面台のデメリットを踏まえ、後悔しないためにも以下の点に注意しましょう。

造作洗面台を選んで後悔しないためには?

建材メーカーや水栓メーカーのショールームへ行くと、造作洗面台を展示していることがあります。 最初から自分のイメージだけで決めるのではなく、実物を確認しながら、ショールームアドバイザーに製作できるサイズやアレンジ可能な範囲を訊ねてみましょう。
造作洗面台を選んで後悔しないためには、建築家やショールームアドバイザーなど、プロのアドバイスも欠かせません。

また、家族でショールームを訪れれば、使い勝手の確認もできます。希望する商品の展示があるとは限りませんが、多様な商品を見ることで、後悔のない選択ができるでしょう。

おしゃれで使いやすい造作洗面台を作るポイント

造作洗面台はデザイン性だけではなく、実用性にもこだわって作りましょう。

洗面所の印象を決める「洗面ボウルとカウンター」

洗面所の印象を左右する、洗面ボウルとカウンターには多様なデザインがあり、組み合わせは無限大ともいえます。

① ベッセル(置き型)タイプ

ベッセル(置き型)タイプ

モダンでおしゃれに見えるのがベッセルタイプの洗面ボウルです。カウンターには木・大理石といった異素材を選ぶと、ボウルの存在感が際立ち美しく見えます。
ボウルの高さを踏まえてカウンターの高さを決めるので、カウンターの高さが低くなる点に注意してください。
また、デメリットとしてボウルとカウンターの隙間を掃除しづらいことが挙げられます。

② 半埋め込みタイプ

半埋め込みタイプ

洗面ボウルのデザイン性を出しつつ、カウンターの高さを上げたいときは、半埋め込みタイプがお勧めです。ただし、洗面ボウルを半分カウンターに埋め込むため、カウンターの厚みが大きくなります。

③ アンダーカウンター(埋め込み)タイプ

半埋め込みタイプ

アンダーカウンタータイプは、洗面ボウルをカウンター下に埋め込みます。水仕舞いがよく、カウンターを広く使えることが特長です。ボウルとカウンターの接合部分もないので、掃除もしやすくなります。
ただし、カウンター下にボウルがあるので、収納空間が狭くなることに注意しましょう。

④ カウンターボウル一体型

半埋め込みタイプ

洗面ボウルとカウンターが一体成型されたタイプは、汚れがたまる部分がないのでお手入れが簡単です。
また、カウンターとボウルの材質が同一なため、見た目もスッキリとしています。

デザインだけで選ぶと失敗しやすい「水栓」

デザインだけで選ぶと失敗しやすい「水栓」

造作洗面台における水栓選びは難しく、デザインだけで選ぶと使い勝手が悪くなり、後悔してしまうこともあります。失敗を防ぐには、メーカー推奨の洗面ボウルと水栓の組み合わせから選ぶのがお勧めです。
デザインだけで水栓を選んでしまうと、以下のようなことが懸念されます。

  • 吐水口の位置が高すぎて、水ハネしてしまう
  • 吐水口の位置や吐水角度が合わず、手を洗いづらい
  • 施工が困難、メンテナンス時に不都合が生じる

どうしても使いたい水栓がある場合は、洗面ボウルとのセットが可能か、販売メーカーや施工会社に確認を取りましょう。

洗面所の使いやすさを左右する「収納」

洗面所の使いやすさを左右する「収納」

造作洗面台は収納の作り方も自由ですが、洗面所は物であふれやすいので収納計画が大切です。洗面ボウル下の収納には、以下のような種類があります。

  • 開き戸
  • 引き出し
  • 棚板(オープン棚)
  • フリースペース

フリースペースはボウル下に収納を作らずに、ごみ箱や脱衣カゴを置く、市販のキャビネットを置くといった方法で、スペースを活用します。

「コンセント」の計画も重要

「コンセント」の計画も重要

洗面所では電化製品もよく使うので、コンセントの数や位置計画も重要です。
ドライヤー・ヘアアイロン・電動歯ブラシなど、電気を使うアイテムはたくさんあるので、家族が何を使うか確認しておきましょう。
コンセント付き収納ミラーは収納内部で充電できるので、電動歯ブラシや電動シェーバーの生活感を隠すことができます。

造作洗面台にかかる費用はどのくらい?

造作洗面台の気になる費用相場と、費用を抑えるポイントについて解説します。

造作洗面台にかかる費用の相場

造作洗面台を作る費用は、洗面台のサイズや使用するパーツによって大きく変わるため、一概にはいえません。洗面台のサイズが小さく収納も作らなければ、安く作れる可能性もあります。
ひとつの目安として、造作洗面台一式で20~40万円程の費用がかかるとイメージしておきましょう。

造作洗面台にかかる費用を抑えるには?

造作洗面台にかかる費用を下げるには、以下の方法があります。

  • 洗面ボウル下の収納をなしにする
  • 大きなカウンターは木製で作る
  • 収納やミラーは既製品を使う
  • ネットショップで資材を購入して施工会社に取り付けを依頼する

ただし、これらの方法には注意点もあります。
収納を減らすことで費用は下がりますが、収納したいものが納まりきらないということも起こりえます。事前に家族が洗面台に置きたいものをリストアップしてから、収納計画を立てるのがお勧めです。ネットショップの活用も有効ですが、施工会社に取り付けを断られる可能性もあります。工事を依頼する会社が対応してくれるか事前に確認しましょう。

また、家具や家電の購入費用を住宅ローンに組み込める可能性もあります。ぜひこちらの記事もあわせてご覧ください。
家具や家電の購入費を住宅ローンに組み込める?方法と借入時のポイント・注意点を解説

半造作洗面台なら費用を抑えられる

半造作洗面台なら費用を抑えられる

半造作洗面台とは、使い勝手が重要となる洗面ボウル・水栓・下台一式を既製洗面台から選び、他の部分を自由に選んで作る方法です。
使い勝手が担保される安心感がありながら、ミラー・照明・壁材などにこだわれば、おしゃれな洗面台を作れます。
筆者は自宅洗面所のリフォームを予定していますが、半造作洗面台で作ってみたいと考えています。

造作洗面台で個性にあふれた洗面空間を作ろう!

作洗面台で個性にあふれた洗面空間を作ろう!

造作洗面台はデザインや造りにこだわり、個性的な洗面空間を作ることができます。
その反面、こだわりすぎると費用が高くなる、実用性に欠けることもあるので注意しましょう。
後悔しないためには、以下がポイントになります。

  • デザイン性とコストのバランスをとる
  • 清掃のしやすさや機能性も重視する
  • 家族の意見も取り入れる

また、既製品と造作工事を交ぜた見積もりをいくつか作ることもお勧めです。
見積もりを比較することで、「カウンターのサイズが大きくなると費用が上がる」「収納を減らすと費用が下がる」など、費用が上がるポイントと下がるポイントが見えてきます。
そのバランスを調整しながら決めると、満足度の高い造作洗面台を作れるでしょう。

家づくりのために、この造作洗面台の記事を読んでいただいた方は、住宅ローンを申し込む際に必要となる団体信用生命保険についてもお読みいただくことをお勧めします。
団体信用生命保険(団信)とは?保障内容から保険料、注意点まで徹底解説

公開日:2023年6月28日

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高山みさとさん

高山みさと

大手住宅設備メーカーに10年以上勤務した経験から、住まいやインテリアの専門記事を多数執筆。プライベートでは築20年の戸建て住まいで一児の子育て中。現在はキッチンと洗面台のリフォームを計画している。保有資格:インテリアコーディネーター、整理収納アドバイザー2級

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