結婚前に家を購入するのはアリ?

結婚前に家を購入するのはアリ?

八木 陽子

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「いつかはマイホーム」と考えている方も、少なくないと思います。資金に余裕があって気に入った物件があれば、独身のうちに自宅を購入するのもアリかもしれませんが、まだ結婚していないのに家を購入するのは早計という考えもありますよね。

多くの方が、長い人生において住まいにかかわるお金の問題に直面します。今回は、結婚前に家を買うか、買わないかで、それぞれどういうメリットや違いがあるかをアンケートの結果から考えてみましょう。

結婚前に家を買う?

相手と意見が異なる恐れがある?結婚前に家を買うのはまだ早い!

今回は「まだ結婚していないのに家を購入するのはアリだと思うか」についてご意見を集めてみました。アンケートの結果によると、約6割の人が結婚前に家を買うのはよいと思わないという回答でしたが、この結果を皆さんはどう思いますか?自分個人としては、結婚前に家を買うなんて考えたこともなかったので、むしろ4割の人が結婚前に家を買うことに肯定的だったことに驚きです。

ではまず、結婚前のマイホーム購入は早い!という意見を見てみましょう。

・住みたい場所や家について、結婚した相手と考え方が違うかもしれないし、子どもが生まれたら欲しい家のタイプや予算も変わってくると思います。また、私は結婚式のためのお金を貯めたいので、結婚前は家を買っている場合ではないんです!(20代/女性/会社員)

・相手も自分も好みは変わるものだし、新しいタイプの家も次々と出てくる。家は一生で一番大きな買い物だから、あわてず慎重に考えた方がよい。(40代/女性/自由業・フリーランス)

・結婚してから夫婦で新居の間取りなどを話し合って決めたほうが、お互い気持ちよく生活できると思う。どちらかの独断で決めてしまうと、もう一方が我慢することにもなりますし。(20代/男性/学生)

結婚前に家を購入してしまうと、いずれ結婚したときに相手と意見が食い違う可能性があるという意見が多くうかがえました。家は、人生に一度買うか買わないかの大きな買い物です。また、簡単に買い替えができるものではなく、あとから好みやライフスタイルが変化して後悔してしまうかもしれません。納得できる買い物にするためには、自分の人生の方向性が決まってからでも遅くはありません。

ただその場合、考えておかなければいけないことは、結婚したときの年齢が高く、その後住宅購入を考えるとなると、返済期間や健康面で、住宅ローンを組むには難しい年齢に差し掛かることもありえるということです。

将来のことを考えると早めに買った方が安心?

家の購入資金

反対に約4割の人が結婚前に家を買うのはよいと思うと回答していました。

・確かにリスクが伴うこととは思いますが、仕事上の将来を見据えて早めに購入するほうが、結婚してからあわてるよりはいいと思います。(50代/男性/無職)

・結婚相手の考え方にもよるが、そのまま住むのもアリだし、資産なので売却して家を購入しなおすのもよし、好みに合わせてリノベーションもできるからよいと思う。(50代/女性/専業主婦)

・結婚前に購入しても悪くはないが、その後の生活では必ず変化があると思うので、売却を前提に購入しておくなどの事前対策が大切かなと思う。(40代/女性/パートアルバイト)

結婚前の住宅購入にはさまざまなリスクもありますが、一生涯のライフプランを考えたとき、自分の住まいを確保できる安心もあります。また賃貸と違って、リフォームやカスタマイズがしやすいので、結婚前に買った住宅を、結婚後にふたりで相談してリフォーム…なんていうことも可能です。

また、ぜひ知ってほしいのは、住宅を「自分の住まい」だけではなく、「資産」として捉える考え方もあること。万が一、自分自身が住み続けることが難しくなったときに備えて、賃貸として人に貸せるか、売却しやすいか、などを考慮して住宅選びをするという考え方もあります。その場合、人気が落ちにくいエリアか、駅から近いといった利便性はどうかなど、自分の好みよりも「一般的な魅力を持つか」が住宅選びのポイントになります。

住宅購入を機に、お金に関する制度を知ろう!

今回のアンケート結果では、6割の方が「結婚前に家を買うのは良いと思わない」という結果が出ましたが、一方で「結婚前に家を買うのは良い」と考えている方も数多くいることがわかりました。

住宅購入の資金や頭金を用意するためは、食費や通信費など、家計を見直して貯金するのも一つの方法です。また、目標金額を決めておけばやる気が出て管理や節約も上手くいきやすくなるかもしれませんね。

住宅購入にあたっては、税制や補助金など国や地方自治体から様々なバックアップを受けることができます。例えば、親から子(孫も可)に贈与した場合2500万円までは贈与税がかからない相続時精算課税制度や、親から子への住宅取得資金贈与の非課税制度の特例もあります。住宅購入をきっかけに、家族でお金や将来について話し合う時間が増えると、より家族の結びつきも強くなるのではないでしょうか。

アンケート実施概要

■調査地域:全国

■調査対象:年齢不問・男女

■調査期間:2016年06月13日~2016年06月27日

■有効回答数:100サンプル

公開日:2016年09月28日

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八木 陽子

【監修者】株式会社イー・カンパニー代表。 ファイナンシャルプランナー(CFP®)、一級ファイナンシャル・プランニング技能士、キャリアカウンセラー(CDA)、住宅ローンコンサルタント。 上智大学外国学部卒業。出版社で女性情報誌の編集部勤務をへて独立。「お金は生活に必要なものなのに、なぜ、話す機会が少ないのだろう?」という疑問から、堅いお金の話を楽しく分かりやすく伝えることを決意。現在までに延べ900件以上の家計診断・相談を行う。雑誌やWeb等にて連載を持つほか、情報番組など多数メディアに出演。

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